京都の値段。

人は過ごした時間に比例する事なく、心惹かれる街はある。
僕にとっては自然というフィールドを除いたら、圧倒的に

「京都」だ。

18歳まで故郷の群馬で暮らし、以降21年間東京で暮らしている。人生の半分以上を日本人の約1割が暮らすこの街で暮らしているわけだ。生活の拠点は紛れも無く東京であるし、不便は何もない。にも関わらず心のどこかでは未だに「アウェイ感」は残っている。

明確な理由などはわからないものなのだが、スタンスに保守と革新という二種類しかないとすれば後者のウェイトが著しく高いことが理由のひとつではないかと考えたりもする。もちろんこれは個々人の個性と連動するものだから、古くさい保守など捨ててしまえ!という人にとっては東京は魅力的な街なのだろう。

僕に取って「京都」が心惹かれる街であるのは、「保守」と「革新」のバランスが心地よいのだろうと思うのだ。たまにこういう事を言うと「バランスが取れてる?京都は保守の総本山でしょう?」と言われるが、なぜかと聞くと決まって「一元さんお断り」と「お茶漬け」の話が引き合いに出される。その多くは実際にそれを経験したことはないのだが。

「一元さんお断り」

初めてのお客さんは誰かの同伴か紹介、もしくは相応の投宿先の紹介がなくてはダメ。

最高のもてなしをしたいのに、お客さんの好みを知らねばそれが出来ない。

「お茶漬け」

お茶漬けを食べるかと聞かれるのは帰ってくれという家主の意思表示。それを受けるのは愚の骨頂。

もてなす酒肴も尽きて、お茶漬けくらいしかないが、それでも居て欲しい。

本質を捉えずに表面を捉えるだけでこうも真逆な伝わり方をする事例も珍しい。ここでいう「誤」がそのままだとしても、少なくとも僕は「誤」に遭遇した事はない。

そんな千年の都、京都は徒歩か自転車で廻るのがお勧め。
ガイドでもいればともかく、どこから廻って、何があるのか・・・と悩まれる人にお勧めなのはこの本。

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『京都の値段』

柏井壽さん   著
ハリー中西さん 撮影
共に京都在住のナイスミドルだ。
バイブルサイズで鞄にもすっぽり入るし、とにかくわかりやすい。巻末の地図と場所が一目でわかるのでルートをイメージするのも直感的だ。また、様々なジャンルと代表的なオススメ、更には「タダ」なものから高級品まで値段まで書いてあるので、行ってみて手も足も出ないなんてこともない。

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「永楽屋のギャザーバッグ」
永楽屋は祇園に本店を構える老舗の「手ぬぐい屋」
伝統的な図柄の手ぬぐいを始め、現当主が積極的に取り入れているモダンな図柄まで様々な手ぬぐいや風呂敷、小物を用意している。男女問わずお土産に困ったらコレ。というくらいウケはいい。

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ちなみに我が家のベッドボード上の額装は永楽屋の手ぬぐいを三双飾っている。

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「丹治蓮生堂」

生粋の和蠟燭のお店で東本願寺近くの七条通り沿いにある。
手のひらサイズのリーズナブルなものから巨大な蝋燭まで幅広く品揃えがあり、赤や白のオーソドックスなものから絵入りの可愛いものまである。店の中では店主が手のひらで熱い蝋を回しながら作っている姿も観ることができるので、お勧め。

食べる。楽しむ。寛ぐ。
どんなシーンにもこの一冊があればガイドブックはいらない。
著名な観光地のガイドブックは数多あれど、これほど秀逸な本はそうそうない。10年も前の本ではあるが、現在でも現役で活躍してくれる。

近々、STAGEWORKSのお仕事で「上京」するが、もちろん持参してしまうだろう。。。

Written by Yuichi Seshimo STAGEWORKS.inc


 

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