住みたくなる街。国立市

住みたくなる街。
国立市

某人気の街ランキングのようなイメージになってしまうが、そうではない。
私は現在の立川に住まいを移す前は隣の国立市で独身時代を過ごした。オシャレな街、アクセスがいい街というような基準ではなく、私の独断。

正確には「もう一度住みたい街」

JR国立駅を出て真正面に一直線に伸びる大学通り。
見事な桜と銀杏の巨木並木は、四季を通じて国立市民の目を楽しませ、両脇には広大な一橋大学のキャンパスが広がり、大学通りの先には屈指の進学率を誇る国立高校があり、文教地区の代表的セントラルロードだ。

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左の放射線状の道は旭通り。
旭通りの先には国分寺に向かう坂「たまらん坂」がある。
近くに生家がある故忌野清志郎が率いたRCサクセションの「多摩蘭坂」のモデルになったと言われる坂だ。

右の放射線状の道は富士見通り。
その名の所以か、道の先には富士山が見える。
静かなバーや居心地のよいカフェ、美味しい料理を出す飲み屋が並ぶ通りだ。

そんな国立市のもうひとつの側面を表現する独特なエピソードがある。

「全国の自治体で平均所得額は15位にランクされるが全自治体の財政難の指標ではワーストひと桁」

住民や学生の運動で文教地区に指定されて以来、風営法に引っ掛かる建物の建築は排除されてきた。
言わば経済的発展を捨てて、環境的な発展を選んだという独特の選択をしてきた街でもある。
過去幾度も税収改善のために方針転換の論争が起きるも、未だ初心を堅守している街なのだ。
国立市は仕事をするには向かない街だが、教育や住環境、治安の良さは東京でも指折りだ。

あらましはともかく・・・
私が国立を住みたくなる街と思うのはそれだけが理由ではない。自治体としての環境に厳しいだけでなくに温もりを感じるからなのだ。

「猫にエサをあげている方へ
カリカリや缶詰等を地面に直接置かないでくさだい。その時に猫が食べる分だけ入れ物に入れてあげてください。食べ終わったら必ず片付けてください。キレイにすることで、まわりの方への理解を得られるようにしましょう。無責任なエサのやり方は猫が嫌われる原因になります。
              国立市役所 猫のゆりかご」

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国立市南部にあって武蔵野の自然を色濃く残す矢川緑地の入り口に掲げられた掲示。
本来ならば人間目線で書かれがちなこの手の掲示が、かくの如く共生の考えを基に書かれているのだ。

更にもうひとつ。

「母子家庭のお母さんへ。生活に困ったら、市役所に来てください。粉ミルクを準備して待っていますから」

一語一句は憶えていないが、こんな主旨の一文が市の広報に載っていた。
スキーの手入れをするための「敷き紙」に書いてあったので冬の出来事だと思う。

独身の僕でさえ胸が熱くなった。
日本の福祉は国の財政を圧迫させてしまうほど手厚いものであるから、こういった福祉サービスを展開している自治体は少なくはないはずだが、胸を熱くしたのは

「職員の心のこもったメッセージ」

に他ならない。
様々な課題はあろうが、心のこもった方針とメッセージを発する事ができるこの街が好きだ。
もちろん私にも個性的な理由ではない理由で住んでみたい街はある。

住んでみたい街のイメージや名前はあっても、その自治体の個性までは気にする人は少ないのではないだろうか。
それでも、街ごと愛することが出来るのか。たまには住んでいる街のホームページを見てみるのも良い。

私が今住んでいる立川市も愛せるよう少しずつ知るために妻と散歩する。


 

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