デベロッパーがリノベーションをできるのか

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三菱地所レジデンスのプレスリリースで同社のリノベーション事業への参入が発表された。

目標販売戸数は初年度100戸30億円、将来的には200億円の売上げを目指すという。
三菱地所と言えば言わずと知れた大手デベロッパーではあるが、この参入の意味するものは何か。
新築至上主義は人口減少のなかでペースダウンを起こし、ストック物件が着目される時代が来るということではないか。
新築マンションの供給は続いて来た。現在STAGEWORKSのオフィスから見渡すだけでも新築マンションは6棟の建設が進んでいる。それはこの界隈に限った事ではなく、都市部ではよく見られる光景だ。その結果がこうなった。

日本のマンションストックは600万戸

この数値は単一ストックが100年単位でローテーションされる欧米との価値観の違いを差し引いても異常といえる。これからの日本は人口減少が更に加速し空き家が増える。今回の試みは、そこにも力点を配する事自体は歓迎すべきところだし、ストック活性化にも少なからず貢献するだろう。
しかし。。。

「住まう人不在のリノベーションは平均値を越えない」

気になる点はただひとつ。
今回の改修(あえて改修と呼ばせて頂く)は同社の上位シリーズの「ザ・パークハウス」の設備に準じる改修を行って販売するという。住まいを検討している方々にとっては魅力的なポイントであろうし、供給側もマーケットリサーチもトレンドの反映にも気を配っているだろう。この時点で、購入に前向きな方々も多くなるだろう。それでもこれはリノベーションとは言いがたい。なぜなら、一棟でも一戸でも買い取って改修をして再販するシステムである以上はリフォーム済み物件なのだ。どんなにマーケットリサーチをしようが、トレンドを反映させようがそれは平均値でしかなく、それは満足度も平均値を越えないということを意味するのではなかろうか。

「自由設計の場を提供」

異議を唱えるのは簡単なものなので、無礼は承知でにポジティブで応えてみたい。中古物件で住まいを検討される方々の心配事の上位は「建物の安全性」が必ず来る。その不安を払拭するのは構造設計士による構造計算書のチェックであったり、専有物件そのものの特徴のアドバイスであったりする。スケルトンにして(希望者には現状のままでもよい)それら汎用的なサービスのみを提供して、住戸の設計は購入者の事由設計に委ねてみてもいいのではないかと思ったりする。もちろん、販売に際してはそれらのコストが上乗せされている事は当然であってよいと思う。

購入者のメリット
・中古物件であるから、ほぼ適正価格で購入できる。
・スケルトンで購入する事も可能だから工期短縮になる。
・専有区画の中で、自分たちらしい空間を創造できる。
・建物そのものに対する不安は解消されている。

が生まれるのではないかと考えたりする。
だが、それは難しいのだろうとも思う。なぜなら、そこには避けがたいコストモデルの構造があるからなのだ。その構造自体は悪い事ではない。リノベーションという、本来は手間もカスタム性も高いこのサービスを追求する為に必要な構造とデベロッパーの組み上げて来た構造は相容れるのは難しいものなのだ。


 

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